
また今年も指導要録を書く時期がやってきた…

いつもすごく時間をかけて書いているけど、意味があるのかしら…
毎年、年度末になるとやってくる「指導要録」を書く仕事。
教師になって10年目を迎えたボクですが、いまだに年度末のこの仕事にはうんざりしてしまいます。
ましてや、学生さんや教師になって間もない若い先生は戸惑ってしまうことも多いのではないでしょうか。
この記事を見ていただくことで、「指導要録」についての知識を知ることができるだけでなく、効率的な書き方やコツを知ることができます。
一緒に学んでいきましょう!
そして余裕のある有意義な春休みを迎えられるようにしましょう!
そもそも指導要録って何?
そもそも毎年度末に書かされているこの「指導要録」ってなんだかご存知ですか?
指導要録とは、
- 学籍や指導の結果の要約を記録し、
- その後の指導及び、外部への証明に役立つもので、
- 学校教育法によって作成、保管が義務付けられている
というなかなか、お堅い書類です。

作成が義務付けられている書類だということはわかったけど、どうやって作ればいいのか教えてほしいよ!

それでは、指導要録作成のコツを具体的に解説していくよ!
指導要録作りへの心構えと極意
ボクは10年以上、小学校で勤務し、毎年指導要録を書き、作成してきました。
色々試して作成したり、同僚の仕事の仕方を見ながら学んだりした結果、行き着いた一つの答えがこれです。
「手を抜いて」などと言うと、「大事な書類に手を抜いてかかるとは何事だ!」と青筋立ててお怒りになる方もおられるでしょう。
でも、ボクは「いい加減にやればいい」と言っているわけではありません。
大前提として、指導要録はいくら一生懸命仕上げても今後、ほとんど誰の目にも触れることなく捨てられることになります。
なぜなら、児童の学習や指導に関する資料はその他にも「指導計画」や「引き継ぎ資料」などがしっかりと準備されているからです。
わざわざ、そんな公簿を校長室の鍵がかかった棚から引っ張り出してきて見る人なんていないのです。
それなら、そんな指導要録にはそれなりの質を担保しつつも、時間は一切かけずにやり終えてしまうのが得策というものです。
過去、共に働いた先生の中でこのようにして指導要録の作成に取りかかっている人がいました。
- 全て鉛筆で下書きをしてからペンで清書する
- 字が斜めにならないように全員分の紙に鉛筆で線を書いている
- 記入する文章の下書きに長時間かけて悩んでいる
今、思えば全て時間のムダです。
そんな時間があるなら、
- 次の学年の準備に取り掛かる
- 学期初めの仕事をやり始める
- 早く家に帰って休む
ただでさえ時間がない春休みです。
そんな風に有意義な時間を使うべきですよね。
それでは、さらに具体的に各項目へ書くことと書き方のコツを解説していきましょう!
指導要録に書くべき項目と書き方のコツ
学籍に関する項目

指導要録の1枚目は「学籍に関する項目」というものです。
- 氏名、住所
- 保護者名
- 名簿番号
年度初めに終わらせていることがほとんどでしょう。
担任名の横に印鑑を押す程度で終わります。
全員分をしたとしても2分程度で終わるでしょう。

指導に関する項目
指導要録の2枚目はこの「指導に関する項目」で、これが多くの先生の時間を奪う悩みの種となっています。
コツを抑えて時間短縮を図りましょう!
各教科の学習の記録

各教科の学習の記録は
- 観点別学習状況をA〜C
- 評定を1〜3
で評価するものです。
学校や市町村、自治体によっては1〜3学期に通知簿に打ち込んできたものが平均されて「指導要録用」として算出されているところもあります。
そうでない学校については、1〜3学期分の通知簿の各項目を平均して出せばOKです!
特別の教科「道徳」

特別の教科「道徳」については、新学習指導要領から新しく入っており、文章による表記を行います。
「児童の学習状況や道徳性に関わる成長を文章で端的に記述する」ということになっていますが、特に変わったことをする必要はありません。
通知簿に記入した「道徳所見」を短く書き換え、文末を整えれば完成です!
外国語活動の記録

外国語活動の記録は3・4年生のみです。
5・6年は外国語として教科化されていますから、「各教科の学習の記録」に入っています。
3・4年のみ「所見」として記述する必要がありますが、これも変わったことは必要ありません。
通知簿に記入している「外国語所見」の一部を切り取って、簡単に文章化すればOKです!
総合的な学習の時間の記録

総合的な学習の時間の記録は3〜6年で行います。
学校で決めた学習活動、評価の観点を教務さんと確認し、全員同じものを記入しましょう。
そして、評価は児童についた力を文章で端的に記述します。
これまた、特に変わったことをして時間を浪費してはいけません。
すでに通知簿に記入している「総合の所見」の一部を切り取って、簡単に文章化すればこれまた完成です!
特別活動の記録

特別活動の記録は何かを記入する必要はありません。
学校で決めた評価の観点を記入する必要はありますが、各項目で「十分満足できる場合」にのみ◯をつけるというものです。
「学級活動」や「児童会活動」など、「この子は!」という数人を選んで◯をすればOKです。
一人も◯がないという年があっても大丈夫です。
「十分満足できるかどうか」は担任の主観ですからね。
行動の記録

行動の記録も特別活動の記録と同様に、何かを記入する必要がない項目です。
学校生活全体を見て、「十分満足できる場合」にのみ◯をつけます。
「基本的な生活習慣」や「自主・自律」「責任感」などの項目があるので、「この子のこれは!」と思うものだけ◯をつければOKです!
一人も◯がなくても違和感はありませんから安心してください!
総合所見及び指導上参考となる諸事項

総合所見及び指導上参考となる諸事項は「各教科の学習における所見、特別活動、行動、表彰を受けたもの、成長に関わる所見など」を文章表記するものです。
この記入欄がとても広く、頭を悩ませるところなんですよね。
以前一緒に働いた同僚が鉛筆でせっせと線を引いていたのもここです。

でも、ご心配なく!ここを書くコツも紹介するよ!
この広い所見欄を書くコツはこれです!
- いいところ、成長したところを書く
- 箇条書きで簡潔に書く
- マイナス点を書く場合は特別な場合のみ
今まで書いてきた所見欄から2〜3文を選び出し、文末を整えてつなげるだけです。
範囲が広いので、工夫をしようと思えばいくらでもできます。
でも、初めに書いたポイントを改めて思い出してください。
どうせ誰も見ないから、手を抜いて片付けよう
最低限のことだけを書いて終わればOKです。
表彰を受けたものはどの程度まで書くのかということについては各校で違いがあります。
教務さんに確認してから行いましょう。
勝手に作業を進め、後からやり直しになると時間の無駄ですからね。
出欠の記録

出欠の記録は1年間通しての授業日や欠席日数、その理由などを書き込むものです。
出席簿の数字を合計し、手っ取り早く打ち込んでいけばOKでしょう。

【まとめ】指導要録の書き方のコツをつかみ、有意義な春休みを迎えよう!
年度末、必ずやってくる「指導要録をまとめる」という仕事のポイントやコツを紹介してきました。
今までのご自身の取り組み方、考え方に少しでも変化があったでしょうか?
書かなければならない項目はたくさんありますが、ここまで見てくださったようにポイントはとても簡潔にまとめられます。
- 今までの成績の平均を出し、
- 今まで書いてきた所見に手を加え、
- 秀でている子だけを選んで◯をつける
これさえできれば、担任としての仕事は十分果たせたことになります!
これらの仕事はコツさえつかめば、半日もあれば十分にできるようになります。
こんな仕事は素早く終わらせ、一刻も早く有意義な春休みを満喫しましょう。
4月に入ればまた、怒涛のような日々が訪れるのです。
今しかない4月までの時間をより充実し、楽しいものにしていこうではありませんか!
参考になる文献もいくつか紹介しますので、気になる方はぜひチェックしてみてください!
それではまたっ!
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