子どもに対する言葉かけってどうすればいいか迷ってしまいませんか?

ほめるのが大事ってのは分かるけど、どうほめていいのか…

あからさまにほめるのって何だか気がひけるのよね…
何年も学校現場で働いてきた先生たちも、子どもたちの「ほめ方」には常に悩みをもっているものです。
特に、経験の浅い先生や学生さんはなおさら、子どもの「ほめ方」ってどうしていいのか分かりませんよね。
ボク自身も10年教師をしてきて
- ほめるのは大事だと分かっているけど
- 具体的なほめ方は分からない
これが正直な気持ちです。
常に、迷いながら子どもと接しているのが現実です。

この記事では「ほめ方」のポイントと具体例を書籍をもとに分かりやすく紹介するよ!
今回、参考にした書籍は三好真司氏の著書『教師の言葉かけ大全』です。
この書籍には具体的なほめ方やしかり方など、子どもとの接し方の具体的な例がたくさん挙げられています。
毎日子どもと接している先生なら若手からベテランまで、さらに子育てをしているパパ・ママにも参考になる部分は大いにある1冊でした。
それでは、早速「子どものほめ方」について学んでいきましょう!

【はじめに】ほめ方の大原則3選
「子どもをほめる」というとき、そのほめ方には大原則があります。
その大原則とは
- すぐにほめる
- たくさんほめる
- 具体的にほめる
というものです。
子どもをやる気にさせ、自己肯定感を高め、前向きにさせるためには「すぐに」「たくさん」「具体的に」ほめることが大切です。
すぐにほめる
子どもをほめるという行為はなま物を扱うのと同じです。
つまり、鮮度が大切だということです。
お刺身は腐ってしまったら美味しくないのと同じで、ほめるという行為も時間が経ってしまえば意味がなくなってしまうのです。
その期限は「60秒」だと本書では紹介されています。
子どもをほめる場合には「すぐに」ほめましょう。
たくさんほめる
子どもをほめると言っても、一度だけほめ言葉を伝え、その後放置してしまっていては意味がありません。
「ほめ言葉のシャワー」という言葉があるように、数多くほめてこそ意味があるものです。
一度や二度で満足することなく、ことあるごとに子どもをほめまくりましょう。
具体的にほめる
しかし、いくらたくさん子どもをほめても
- すごいねぇ!
- やるなぁ!
などと、具体性のないほめ言葉ばかりかけていても意味がありません。
- こんなに丁寧な字がかけるなんてがんばって取り組んだんだね!
- 人の気持ちを考えて行動できるなんてえらいなぁ!
- テストに向けて◯ページもテスト勉強をしたんだね!がんばってるなぁ!
子どものどこがどんな風に良いのか、それを具体的にほめてあげましょう。

3つのポイントはよく分かったけど、でもどんな風にほめたらいいのか分からないなぁ…
そんな方のために、本書に紹介されていた「ほめ方のレパートリーを一気にドドドーンと紹介することにします!
自分にできそうなものから、つまみ食いして子どもをほめてあげてください。

ほめ方のバリエーション
やりすぎ法
「やりすぎ法」とは、子どもの言動を大げさに評価するという方法です。
子どもはおおげさな表現でほめられることを好みます。
そして、おおげさにほめられた子どもはエンジンがかかり、意欲がアップします。
- きれい過ぎ!
- 美し過ぎる!
- すご過ぎ!
- かっこ良すぎる!
- ダントツだね!
子どものがんばりを大げさに評価し、ほめてあげましょう。
驚き法
「驚き法」とは、子どもの行動に対して驚くことでプラスの評価を伝えることです。
驚くのは大人ですから、アイメッセージを伝えることにもなります。
ポイントは語尾に「っ」を入れるように驚きを伝えることです。
- はやっ!
- その手があったか!
- どうしてそんなことができるの!?
- もしかして、習字習ってる?
- そんなバカな!
子どもの行動に対して、大げさに驚き、たくさんほめてあげましょう!
ますます法
「ますます法」とは、結果に目を向けず、成長を認める言葉かけです。
つい、大人はできていることを評価していまいがちですが、できていることをほめるとほめ方が偏ってしまいます。
しかし、成長の度合いをほめることで、できない子・苦手な子にもスポットを当てられるのです。
- さらに腕をあげたな!
- グレードアップしてる!
- レベルアップだ!
- どんどんよくなるね!
- ぐんぐん伸びてるよ!
結果でなく、過程を見つめ、ほめ言葉を与えていきましょう!
価値づけ法
「価値づけ法」とは、具体的な行動とそれが及ぼす良い影響について具体的にほめることです。
子どもの行動を子ども自身に納得させることで、その行動を続けていこうとする意欲を持たせます。
子どもの行動がなぜ素晴らしいのか理由を説明し、価値づけてあげましょう。
- どうして素晴らしいのかと言うとね、
- 例えば、こんなことにつながるんだよ
- このがんばりは、こんな風に生きてくるんだよ
- 今やっていることは、大人になってからも役立つよ
「ほめ方の大原則3選」の「具体的にほめる」につながるほめ方ですよね。
子どもの行動の意味を価値づけ、さらにがんばろうという意欲を持たせてあげましょう!
伝聞法
「伝聞法」とは、人から聞いた良い評価を本人に伝えることです。
この方法の良さは、人づてに自分がほめられている話を聞くと、ほめられる言葉の効果がさらに増すところにあります。
大人になった今でも、誰かが自分のことをほめていたと知った時、すごく嬉しい気持ちになりますよね。
子どもたちにも、
- A先生がますます努力してるってほめてたよ!
- 校長先生がほめてくれたよ
- 風の噂で聞いたんだけどね、
- 地域の方からこんな声を聞いたよ
など、伝聞法を使ってほめ言葉をどんどん伝えていきましょう。
感謝法
「感謝法」とは、字のごとく「感謝」を子どもに伝えていく方法です。
子どもたちは、感謝されると喜びを感じ、さらに意欲を高めます。
- 助かるよ、ありがとう!
- 恩に着るよ!
- 嬉しいな。
- 君のおかげだ!
子どもに抱いた「ありがとう」の気持ちをふんだんに伝えていきましょう。
大人が伝えてくれる感謝は子どもをどんどんやる気にさせます!
尊敬法
「尊敬法」とは、尊敬の念を抱いていることを伝える方法です。
子どもにかける言葉に「憧れの気持ち」を込めることが大切です。
大人の経験などと比較しつつ、尊敬を伝えると良いでしょう。
- そんな5年生がいるものなんだなぁ
- ◯年間、先生をやってきたけど、そんな人は初めてだよ
- これができる◯年生は聞いたことがないなぁ
- こんな小学生がいるなんて
- 天才集団だなぁ
子どもたちがますますやる気になり、目を輝かせてくれることでしょう。
嬉しい例え法
「嬉しい例え法」とは、子どものがんばりを他のものに例えて賞賛するほめ方です。
- 〜のプロ
- 〜社長
- 〜の達人
- 〜チャンピオン
- 〜の神
- 伝説の〜
子どもが嬉しくなるような例えをどんどん使ってほめてあげましょう。
こんな風にほめてもらったらやる気になってがんばる子どもの顔が思い浮かびますよね。

【まとめ】バリエーション豊富なほめ言葉で子どもをやる気にさせよう!
ただ「ほめる」と言っても実に色々なほめ方ができることがお分りいただけたのではないでしょうか?
この記事が「ただ漠然とほめていた」から「具体的にほめられるようになった」という変化につながれば嬉しいです。
改めて紹介したほめ方をまとめておきましょう。
- やりすぎ法:子どもの言動を大げさに評価する
- 驚き法:子どもの行動に対して驚くことでプラスの評価を伝える
- ますます法:結果に目を向けず、成長を認める
- 価値づけ法:具体的な行動とそれが及ぼす良い影響について具体的にほめる
- 伝聞法:人から聞いた良い評価を本人に伝える
- 感謝法:「感謝」を子どもに伝える
- 尊敬法:尊敬の念を抱いていることを伝える
- 嬉しい例え法:子どものがんばりを他のものに例えて賞賛する
たくさん紹介しましたが、まずはできそうなことからやってみましょう。
全部やろう!なんて思うと大人がしんどくなってしまいますからね。

まずは、1つ自分にできそうなことからやってみましょう!
ここまで読んでくださってありがとうございました!
紹介した『教師の言葉かけ大全』には、「ほめ方」以外にもたくさんの具体的な実践が数多く紹介されています。
気になった方はぜひ、チェックしてみてください!
あなたのお子さんが過ごされる時間が少しでも有意義で幸せな時間になれば嬉しいです。
それではまたっ!
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